ほどよい塩気やコクがあり、料理のアクセントや朝の手軽な一品として使われやすいベーコンやウインナーなどの加工肉は、子どもも大人も好んで食べる方が多いのではないでしょうか?
しかしこれらの加工肉は食べすぎると腸内環境を乱し、薄毛や白髪の原因になってしまうこともあるのです。
そこで、今回は加工肉と髪について調べてみました。
加工肉とは
豚肉や牛肉、鶏肉などの肉を加工処理したものを加工肉と言います。ハムやベーコン、ソーセージなどが該当し、それぞれの調理工程が異なります。
○ハム類
ハムは豚のもも肉を塩漬けや燻製にし、仕上げにスチームで蒸したり茹でたりして作られます。ヨーロッパでは非加熱のものが多く、これが生ハムです。
日本では、もも肉以外でも肉の塊を加工したものをハムと呼び、骨付き豚もも肉を使用したものを骨付きハム、豚もも肉を使用したものをボンレスハム、豚ロース肉を使用したものをロースハム、豚肩肉を使用したものをショルダーハムなどと、使用する部位や製法の違いで様々な種類のハムがあります。
○ベーコン
ベーコンは豚のばら肉を塩漬けしてスモークしたもので、ロース肉を使用した場合にはロースベーコン、豚肩肉を使用した場合にはショルダーベーコンと呼ばれます。
ヨーロッパでよく使用されるパンチェッタは、豚ばら肉を塩漬けして乾燥し熟成させたもので燻製はされていません。
ハムとベーコンの違いは、ハムは燻製後にスチームやボイルをするのに対して、ベーコンは燻製で終わることが挙げられます。
○ソーセージ
豚肉をひき肉にして、香辛料などを練り合わせて薄い膜状の袋に詰めた加工肉をソーセージと呼びます。
食卓でよく食べられているウインナーは、このソーセージの一種で、豚肉と牛肉を塩漬けしたものに香辛料を加えて薄い膜状の袋に詰めた後、燻製してボイルしたものです。
加工肉は腸内環境を悪化させる!
WHOがソーセージ、ハムなど、加工肉を毎日50gずつ食べると、腸内環境が悪化し、大腸がんになるリスクが18%増えると発表をし、様々な波紋を呼んでいます。
しかし、「加工肉」といってもどんな「加工をほどこした肉」であるかが問題です。
市販のハムやソーセージの多くには、亜硝酸ナトリウム、リン酸塩、結着剤、保存料、酸化防止剤、合成着色料、化学調味料など、 安全性に問題のある食品添加物が数多く添加されています。
○危険な食品添加物~亜硝酸ナトリウム~
食品添加物の中でももっとも危険なのが発色剤として使用されている「亜硝酸ナトリウム」です。
食肉に含 まれる色素は酸化すると黒っぽい色になりますが、亜硝酸ナトリウムを添加するとそれらの色素と結合し、より鮮やかな赤色を保つことができるのです。
しかし、亜硝酸ナトリウムは急性毒性が強く、これまでの中毒例から、人推定致死量は0.18 ~ 2.5gとされます。(『第六版食品添加物公定書解説書』廣川書店)
さらに亜硝酸ナトリウムは肉に多く含まれているジメチルアミンという物質と胃の中で結合して、「ニトロソジメチルアミン」という強い発がん物質に変化することがわかっています。
○タール色素
お弁当などによくでる赤いウインナーの赤色はター ル色素という合成着色料によるものです。
タール色素の中でも赤3(赤色3号)や赤102(赤色 102号)がよく使われていますが、その化学構造や動物実験から、いずれも発がん性の疑いがあると言われています。
赤色102は子どもにじんま疹を起こすとして、皮膚科の間では注意が呼びかけられています。
赤3はねずみに投与した実験で甲状腺の腫瘍の増加が心配されています。
これらの添加物は通常、加工品に含まれている量を食べている分には急性中毒を起こすことはほとんどあ りませんが、日常的に摂取し、何年、何十年と蓄積されることで、腸内環境が蝕まれていくのです。
加工肉の原材料も問題
日本の市販のハムやソーセージの原料のほとんどが輸入肉で、安価な肉を使って加工されています。
市販の肉には遺伝子組み換え飼料の問題をはじめ、病気を防ぐための抗生物質や牛肉の場合には成長を促すための女性ホルモン剤が投与され、それが肉に残留していることが問題となっています。
良い腸内環境は薄毛・白髪予防には必要不可欠
男女関係なく抜け毛や薄毛の原因のひとつになっているのが、『腸内環境』と『お通じ』の乱れです。
健康な髪の毛のためには、髪の毛の成長に必要な栄養素を十分にとることも重要ですが、腸内環境が乱れると、栄養素を吸収するスピードも効率もグンと落ちてしまいます。
そのため、髪の毛の健康をキープするのに必要な栄養素が吸収されにくくなってしまうのです。
また、お通じが滞ってしまうと、本来身体の外に出るはずだった有害物質が腸から吸収され、再び血液に溶け込んで身体の中を循環することに、こうして汚れた血液は『ドロドロ血』といわれる血行不良な状態を引き起こします。
それにより、せっかくとった栄養が髪の毛に届きにくくなってしまうのです。
栄養が届かないことで痩せてしまった髪の毛は、抜けやすく、ボリュームも低めとなり、抜け毛の増加や薄毛の進行につながってしまうのです。
現代人は食物繊維が不足している
近年ブームにもなっている糖質オフの食習慣も、腸内環境を悪化させる一因になると考えられます。
髪の育成には、食物繊維の摂取が効果的であることがわかっていますが、糖質オフにより食物繊維を含む炭水化物を極端に制限すると、食物繊維が不足してしまうのです。
食物繊維とは、食べ物の中に含まれている、小腸で消化・吸収することのできない物質のことです。体の中で良い働きをすることが注目され、第6の栄養素ともいわれています。
食物繊維の働きとして多くの人に知られているのが、お通じを整えることでしょう。
食物繊維は便のかさを増やしたり腸内細菌のエサとなり、腸内環境を整える善玉菌を増やす働きがあります。
お通じは女性に多い悩みの一つですが、食物繊維を適切に摂ることで、お通じを整えることが期待できます。
また、食物繊維はお通じを整えるだけでなく、糖質の吸収をおだやかにしたり、脂質やナトリウムを吸着し排出をサポートする働きなどもあり、様々な健康効果が期待されています。
このように、食物繊維は体にうれしい働きがありますが、サプリメントやドリンクなどから摂る時は過剰摂取に十分注意し、毎日の食事とうまく組み合わせて不足を上手に補いましょう。
まとめ
加工肉には、ハムやベーコン、ソーセージなどがあり、これらの食材は忙しい日本人には欠かすことができない食材です。
しかし加工肉には腸内環境を乱し、頭皮の血流を悪くしてしまうため、薄毛や白髪の原因となってしまいます。
全く食べてはいけないということではありませんが、食べすぎには注意が必要です。
加工肉には、普通のお肉よりも高カロリー、高脂質であり塩分も含まれていることを意識して献立を立てることがとても大切です。