近年、健康意識が高まる中、地中海沿岸地域の食文化「地中海食」が健康に良いとして話題です。
「地中海食」の健康におけるメリットやダイエット効果、そして薄毛・白髪改善効果が世界中のあらゆる研究によって証明されています。
今回は地中海食の特徴や、今注目を集めている理由についてご紹介します。
Contents
地中海食とは

地中海食とは、ギリシャやスペイン、イタリア、エジプトなどの地中海沿岸の国々で食されている伝統的な食事様式です。
厳密な決まりごとはありませんが、次のような特徴を備えている食事が地中海食とされています*。
・果物、野菜、パンやその他の穀物食品(ほとんどが未精製)、豆類、種実類といった植物性食品が豊富
・加工食品は最小限にとどめ、その地域で生産された新鮮な旬の食材を使う
・日常のデザートは新鮮な果物とし、ナッツやオリーブオイルを使ったスイーツや砂糖
・はちみつを多く含むスイーツはお祝いのときのみにする
・油脂類の主な供給源としてオリーブオイルを使う
・魚介類を適度に摂る
・乳製品(主にチーズやヨーグルト)は少量~適量を摂る
・卵の摂取量は週に4個未満
・パセリなどのハーブを撮る
・赤身肉の摂取頻度や摂取量が低い
・ワインは食事のときにだけ、少量~適量を飲む
地中海沿岸地域では伝統的に赤身肉を食べる頻度が低く、地中海食は動物性たんぱく質が少なめです。
その一方、オリーブオイルや種実類が多く用いられるため、食事全体の脂質量は多めという特徴があります。
ただ、脂質の主な供給源であるオリーブオイルには抗酸化作用のあるオレイン酸が多く含まれており、脂質含有量が高くても地中海食は健康的な食事とされています。
地中海食の薄毛・白髪予防効果①~抗酸化・抗炎症作用~
地中海食の髪に良い理由の1つとして、抗酸化・抗炎症作用が挙げられます。
野菜や果物、ナッツ、全粒穀物、オリーブオイル、魚介類、赤ワインなどの食品は抗酸化ビタミンやポリフェノール、オメガ3脂肪酸の供給源であり、薄毛や白髪、認知症などの要因となる酸化ストレス、炎症の影響を軽減すると言われています。
地中海食の薄毛・白髪予防効果②~腸内環境を整える~
乳製品をナチュラルチーズやヨーグルトといった発酵食品で摂ることも地中海食の特徴です。
これらには乳酸菌やビフィズス菌が多く含まれ、腸内細菌叢のバランスを整える作用があります。
乳酸菌やビフィズス菌は食物繊維やオリゴ糖を栄養源として乳酸を(ビフィズス菌は酢酸も)作り出し、これらが有効に活用されて健康維持に貢献します。
また、乳酸や酢酸は大腸内を酸性に保つため、酸性に弱い悪玉菌の増殖を 抑制するのに好適な腸内環境をつくるのに役立つわけです。
地中海食ではオリーブオイルがたくさん使われてる!
オリーブオイルは、ビタミンEを含んだオイルで、オイル自体の栄養価が非常に高いことで有名です。
8割方がオレイン酸で、悪玉コレステロールのみを減少させるのではないかと考えられ、食用として注目を浴びている成分です。
頭皮にとっても、皮膚にとっても、皮脂や水分のバランスを保つ上で重要な役割を担う成分であり、肌になくてはならない栄養素のひとつです。
もうひとつ、割合は高くない場合がありますが、不飽和脂肪酸が含まれることも、オリーブオイルの成分の中で見逃せない点です。
頭皮が健康に保たれるための栄養素として考えられる成分が、じつはビタミンEと不飽和脂肪酸なのです。
話題のオメガ3も同じですが、不飽和脂肪酸は体内で摂取されないため、体の外側から食べたり塗布するなどして補給しなければなりません。
さらに、ビタミンEも、それ自体が髪の生成に欠かせない栄養素であるだけでなく、不飽和脂肪酸の働きをサポートする役割をもっていますので、両方の成分を含むオリーブオイルは、最強の組み合わせを内包するオイルなのです。
地中海食の薄毛・白髪予防効果③~低脂肪で高たんぱく質~
地中海食では、肉類の比重が少なく、高たんぱくで低脂肪な魚介類を好んで食されます。
魚介に含まれるたんぱく質は、筋肉や肌など、体の材料となるアミノ酸から構成される重要な栄養素です。
代表料理には、トマトやオリーブオイルなどと一緒に魚を煮込んだナポリ料理のアクアパッツァ、ヨーロッパ諸国で古くから親しまれているムール貝の白ワイン蒸しなどがあります。
また、肉類を摂る際も、牧羊が盛んな地中海沿岸諸国では主に低カロリーな羊肉が食されます。トルコでは羊肉や鶏肉を使ったケバブなどが有名です。
地中海食の薄毛・白髪予防効果④~肥満予防~
地中海食の主食であるパンやパスタは、糖の吸収スピードが穏やかで、血糖値の上昇がゆるやかな特徴があります。
血糖値が急激に上がると、膵臓からインスリンと呼ばれるホルモンが大量に分泌され、余分な糖を脂肪として溜め込む作用が働きます。
また、急激に上がった血糖値は急激に下がるため、低血糖状態となり、空腹を感じやすくなります。
パンやパスタを主食とすることは、肥満予防の観点でメリットがあると言えます。
健康な髪のために体重管理をしよう!
「肥満」や「低体重(やせ)」の目安としてBMI (Body Mass Index)がよく使われます。
計算方法は世界共通ですが、肥満の判定基準は国によって異なり、WHO(世界保健機構)の基準では30以上を “Obese(肥満)” としています。
日本肥満学会の定めた基準では、18.5未満が「低体重(やせ)」、18.5以上25未満が「普通体重」、25以上が「肥満」としています。
BMI=体重(kg)÷[身長(m)×身長(m)]
地中海食はAGAも予防する!?
イタリアのIDI病院の研究で、頭髪が豊かな人と薄毛の人の食事について調べたものがあります。
この研究では、髪の毛がフサフサの人108名と男性型脱毛症(AGA)に悩む人104名の食事を比較しました。
参加者は28歳~39歳の男性で、BMIは25以下。そして、喫煙の習慣がない人がメインとなっています。
その結果、髪の毛がフサフサの人は、地中海式の食事に近い食生活を送っていることが分かりました。
やはり、栄養をしっかりと摂取し、健康的な食生活が髪の毛にも良いと言えるのでしょう。
また、この実験では、地中海式の食事のどの部分が薄毛予防に効果があるのかも調べてくれています。
その一つがパセリ・セージ・ローズマリーなどの新鮮なハーブを食べること。
そして、もう一つが生野菜を食べること。
特にブロッコリー・キャベツなどのアブラナ科の野菜を食べることが効果的なようです。
研究者は「新鮮なハーブやサラダといった地中海式の食事に含まれている食材は、成人男性によくみられる髪の毛の生え際や頭頂部が薄くなる男性型脱毛症のリスクを下げてくれるかもしれないことがわかった」と言っています。
というのも、生野菜とハーブを週3回以上食べると、薄毛になる確率を半分くらいまでに減らせるとのことなので、素晴らしい効果です。
皆さんも、ぜひ地中海式の食事を取り入れてみてはどうでしょうか。
具体的には、研究で述べられた新鮮な生野菜やハーブを週3回以上食べることをオススメします。
(研究参照:地中海式食事: 新鮮なハーブと新鮮な野菜は、男性の男性型脱毛症のリスクを低下させます)
地中海食はこう続けよう!
地中海食は、無理せず美味しく続けることのできる健康的な食事法として高い評価を得ています。
米国のNPO法人Oldwaysは、地中海食を始めるための手軽な方法として下記の8つのステップを実践することを勧めています。
① 野菜をたくさん食べる
② 肉に対する考え方を変え、食べるなら鶏肉や生ハムなどを少量にする
③ 乳製品はヨーグルトを摂り、チーズは様々な種類を少量ずつ
④ 魚介類は週に2回食べる
⑤ 週に1度は夕食を菜食(野菜、豆類、全粒穀類のみの食事)にする
⑥ エクストラバージンオリーブオイル、ナッツ、アボカドなどの良質な油を摂る
⑦ 全粒粉で作られた食品や大麦などの食物繊維が豊富な穀類を主食に取り入れる
⑧ スイーツは特別な日にとっておき、毎日のデザートは新鮮な果物にする
地中海食では野菜や豆類、全粒穀類をたっぷり摂らなくてはいけません。
飽きずに続けるコツは、料理のバリエーションを増やすことです。
地中海食を自炊すればストレス解消にもなる!
イライラしていたり気分が落ち込んでいる時に「料理」をすると、なぜか心が落ち着いたり、気持ちがスッキリすることがありませんか?
身近なストレス発散法として「料理」と答える女性は多いと思いますが、実は『マインドフルネス』を実践するのにとても有効な作業だと言われています。
たとえば野菜を切ったり火を使って調理している時には、目の前のことに自然と意識が集中していますよね。
さらに、味・香り・盛り付けなどに気を配り、自分が作っている料理と向き合うことで「今」という瞬間に意識が集まります。
“瞑想”という言葉の定義に「何かに心を集中させること」というものがありますが、料理中は無意識のうちに心を集中させている状態です。
最近ストレスが溜まってきたな…と感じたら、ぜひ身近で実践できる「料理」で脳をリフレッシュさせてみませんか?
まとめ
今回は髪に良い食事のベースとなる地中海食についてご説明させて頂きました。
野菜をたくさん摂取するなどの、地中海食の基本となる考え方を持ちつつ、ご自身なりにアレンジして見てくださいね!
地中海食を続ければ健康な髪だけでなく、ダイエット効果や成人病の予防効果など、さまざまな恩恵を受けることができるでしょう^ – ^
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